マーケティングオフィスの設置

マーケティングオフィスとは、自社のクライアントに対し販売促進のみを行うことができる駐在員事務所のことを言います。

ラブアン法人は「クアラルンプール」と「イスカンダル地域」に限定されるものの、マレーシア本土に「マーケティングオフィス」を設置することができ、クライアントとのミーティングに限り、開設することが認められています[※1]。

マーケティングオフィスの税務上の位置づけ

一般的に税法上の見解では、駐在員事務所は「広告・宣伝業務」、「市場調査業務」、「物品保管業務」など限られた活動のみが許されており、事業活動を行うことは禁止されています。そのため、当該国・地域の恒久的施設とはみなされず、一般的に課税対象とはならないルールになっています(参考:「PE課税とは」)。

ラブアン就労ビザを取得し、西マレーシア(クアラルンプール、ジョホールバルなど)へ移住される方は、マーケティングオフィスを設置することが期待されています。

マーケティングオフィス

なお、「マーケティングオフィス」を設置するためには、その前提としてラブアン島内に「マネジメントオフィス」を設置しなければならないと定められています。

マーケティングオフィスを開設するためには、弊社(会社秘書役)を通じてラブアン金融サービス庁(LOFSA)へ申請書を提出する必要があります。

以下に、マーケティングオフィスの概要をご説明します。


1.マーケティングオフィスの役割及び目的
マーケティングオフィスはあくまでも「クライアント(潜在顧客)とのミーティングを円滑に行えるよう促進するための制度」にすぎず、御社のクライアントに対してアプローチをかけるための活動のみに制限されています。

それゆえ、(商取引を含む)帳簿作成及び取引記録等のいかなる行為もマーケティングオフィス内部で行われてはならないと定められています。


2.運用の要件
住所マーケティングオフィスは、実際に存在する住所を有している必要があります。具体的には、マーケティングオフィスは他の会社からも明確に分離独立した実体を伴う設備を有している必要があり、他社とは別に①「独自の電話回線」、②「ファックス」、③「コンピュータ端末」を有している必要があります。すなわち、実体を伴わないバーチャルオフィス形式での設置は認められていません。

また、マーケティングオフィスの運用は(取締役や従業員等の)プライベートでの使用や宿泊に用いることはできず、マーケティング活動以外の目的で使用することは厳格に禁じられています。

従業員マーケティングオフィスの従業員の雇用人数は最大4人までと定められています。
名称と看板の設置マーケティングオフィスの入り口に取り付けられた看板にはラブアン法人の名称を掲載し、印刷された文字はローマ字表記で容易に判読できる字体でなければなりません。看板には、会社名及び登録番号(許認可事業はライセンス番号も必要)の情報が含まれている必要があります。

また、マーケティングオフィスの設置及び看板の設置については、地方自治体の法令要件も併せて遵守しなければなりません。


3.政府への登録料
マーケティングオフィスを設置するための申請書はラブアン金融庁(LOFSA)によって承認され、その年度の12月31日まで有効とされます。各マーケティングオフィスに対して年会費の支払いが必要となります。翌年以降の年会費については、各暦年の1月15日以前にラブアン金融庁に支払うものと定められています。

手数料の内訳は以下の通りです。

認可手数料RM1,000
ラブアン法人のための各種書類発行手数料RM300
マーケティングオフィスの維持費/件RM7,500/年

4.提出書類の要件
・ラブアン法人に関する情報
・マーケティングオフィスの今後3年間の業績予想(包括利益及び財政諸表の記載)を含む、マーケティングオフィスで実行される活動を記載した事業計画書。
・マーケティングオフィスの組織図
※ラブアン金融庁は、申請された書類の他にも申請者に対する情報を要求することができると定められています。ラブアン金融庁は、ラブアン金融庁のおよびその他の規制要件を遵守できない場合、承認を取り消す権利を留保すると定められています。

マーケティングオフィスについての弊社の見解

ラブアン法人はマーケティングオフィスの設置により限定的にではありますが、西マレーシアの都市でのみ一部の活動を行うことが可能となっています。オフショア法人にも関わらずオンショア地域での合法的な活動が認められているケースはラブアン法人特有の制度となっています。

しかしながら、マーケティングオフィスの設置は上述したとおり、クライアントとのミーティングのみに限定される一方で、設置後の運営や維持費、年間の政府登録手数料等を考慮すると、果たして費用対効果に見合っているのか悩ましいところではあります。

マレーシア国内で事業活動を検討される方には、ラブアン法人の活用は残念ながらおすすめできません。このような場合は、マレーシア法人を別途設立し活用されることをおすすめします。

ブキビンタン

※ 上記内容につきましては実務上のルールは若干異なる運用が行われています。ラブアン就労ビザの活用方法につきましては弊社までお問い合わせください。

2019年4月より新ガイドラインが適用されました。新ガイドラインについては「ラブアン就労ビザ発給に関するガイドライン(2019年4月発行)」をご参照ください)。

※ 2014年3月5日発行の「新ガイドライン」により、クアラルンプール、イスカンダル地域におけるマーケティングオフィスの設立に関するガイドラインの再発行がなされました。新ガイドラインは2003年11月14日に発行された「旧ガイドライン」に優先されます。

(参考:Labuan IBFC「GUIDELINES ON THE ESTABLISHMENT OF MARKETING OFFICE IN KUALA LUMPUR AND ISKANDAR MALAYSIA

上記に関するご質問・ご不明点等ございましたら弊社までお気軽にお問い合わせください。


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